2010年12月11日土曜日

偽・日本文化史観

日本って国は、「文化」に対して著しく関心が低いなあと、最近特に思います。
きっかけはこの間見たテレビ番組でしょうか。海外で活躍する超有名画家が、日本ではまったく知られていないという話を聞きました。
こういう話、割と聞きます。海外で評価され、それから日本で栄誉を頂く、という感じの事を特に。

僕は、日本という国は国際的に見ても技術が高く、なかなか豊かな国に思えます。少なくとも、路上で物乞いの人や野垂れ死んでいる人は、あんまり見かけません。
ホームレスでも生活できるだけマシだろう…と思うのですが、どうにもこの国は「お金は、あればあるだけ幸せになる」と考えている人が多いようです。
政府はやれ雇用救済だ、やれ景気対策だと一生懸命で、スポーツとか、絵とか、自分のやりたい事をやっている人には冷たいのです。

この国で自分の作った絵だとか、本だとか、作品を有名にするのに、一番てっとり早い方法があります。それは海外で実績を作ってくることです。
例えば絵なら、フランスだのイタリアだの、なんとなく絵の有名そうな場所へ行き、そこで絵を描くのがいいでしょう。
現地でそこそこ有名になれば、あとは勝手に日本でも取り上げてくれるようになります。
日本で実績を作る方法もありますが、日本の場合、海外で有名でない画家はあまり注目されません。
それに各国で評価を受けていれば、国も率先して注目してくれるようになります。
これは素晴らしいだとか、日本の文化だとか、紋切り型の文句を並べて、芸術だからとかいう理由で各地の図書館に送られるわけです。
外国の評価がないと、ただの絵で終わってしまいます。

むしろこの国は、文化を積極的に潰したがっている気もします。
例えばオリンピック。金メダリストに贈られる賞金、日本は断トツで低いです。
金メダルを取るためには、施設代、コーチ代、トレーニング代と何かとお金がかかりますが、日本からの支援金なんてほとんど出やしません。
目立たないスポーツなんて、相手にもされてません。
僕の弟はアイスホッケーをやっていますが、ものすごく金が掛かってます。でも国からは、お金をもらうどころか、ちょっとしたサービスすら受けた記憶がありません。
将来弟が有名になったら、ぜひこの辺りについて発言してもらうよう頼んでおこうと思っています。今から楽しみです。

日本という国が文化を全て捨てて、国民全員が働きアリのように、お金を稼ぐために動きだしたらどうなるでしょうか。
断言します。間違いなくお金にはなりません。
何故なら、日本より貧しい国は世界中にたくさんあって、職につきたくて仕方ない人が溢れるほどいるからです。
大体、日本という国は国土も人口もちっぽけな国なのです。1億人が火の玉になって働いても、世界から見たらせいぜいライターの火程度でしょう。
でも、1億人が総じて文化を作り出そうとしたら、これはまったく面白い事になります。
日本のアニメが「ジャパニメーション」として評価されているように、日本のものは、日本にしか作れないからです。
確かにこの国で生み出される文化というのも、数にすればやはりちっぽけな火でしかないでしょう。ですがその炎の光は、日本にしか出せない色を放っています。
世界のどこも作り出せないもの。この小さな国が生き残るためには、ここを狙っていくのが賢い道だと僕は思っています。
日本政府、どうもこのあたりが弱いようです。近年の政府の対応、「とりあえず働かせとこう」という意図がミエミエです。

さて、そんなこんなでせっかく立ち上げた新しい文化も、不当に立場が弱い事が時々あります。
漫画より小説の方が偉いとか、ゲームより絵画の方が偉いとか、そんな事を本気で言っている大人に時折出会います。
こういう人、だいたい小説や絵画のよさが分かってません。なんとなく偉そうな方を取って、偉くない方を馬鹿にしたいだけです。

僕はアニメオタクなので、アニメに関してとても詳しいと自負しています。
ここのロボットの動きがいいとか、このシーンを入れたのがいいとか、ちょっと語れる自信はあります。
でもこの感性、人前で披露するとたいてい馬鹿にされます。
これがもし名画のことで、ダビンチのここがいいとか、モナリザのここがいいとか、そんな事を語れるようだったら、ちょっとは尊敬されたかもしれなかったのですが。

「ベートーベンは素晴らしい」なんて言ってる人、僕はあんまり信用できません。
「ベートーベンのピアノの、中盤の1小節が素晴らしい」とか言っちゃう人とは、ぜひお友達になりたいです。

どうにも文化の本当の価値を分かってない奴が多いように感じられます。
戦後以来、日本を復興させるためにみんな死にものぐるいで働いてきたせいか、文化=ビジネス、文化=仕事と捉える人が多いようです。
こういう人の中では、有名でないものは文化じゃなく、有名で、高く売れるものが文化になります。
売れない文化を楽しむ人たちなんてのは、こういった人たちにとって無駄な存在でしかありません。
だからそんな文化はとっとと潰して、やめさせるべきだと考えているのです。だって、お金を稼いだほうが幸せに決まっていますからね。

こういった方々が集合しているのが、今の国会です。あの中で文化の価値が分かってた人なんて、せいぜい麻生太郎さんくらいです。
前々から気にはなっていましたが、民主党に鞍替えしてから、特に「文化破壊」の勢いが付いてきたように思えます。
僕の将来の夢は小説家なのですが、僕が大学を卒業するころ、まだ小説という文化が残ってたらいいなと思います。

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